■ インド・ガネーシャ通信(2) 美人大国インド
最近、インドが世界のミス・コンテストで頻繁に栄冠を勝ち取っているのをご存知でしょうか。その実績を表にしました。
1966年ミス・ワールド レイタ・ファリア
1994年ミス・ユニバース スシュミタ・セン
1994年ミス・ワールド アイシュワリヤ・ライ
1997年ミス・ワールド ダイアナ・ヘイデン
1999年ミス・ワールド ユクタ・ムーキー
2000年ミス・ユニバース ララ・ダッタ
なんと、この7年間に世界のクイーンとなったインド人女性が5人もいるのです。94年にはユニバース、ワールドの両冠を”一国占め”しました。ミス・ワールドでは、過去49年のうち5人を出したベネズエラに次いで、インドは第2位の4人を輩出しました。「美人大国」間違いなしです。インドがなぜ急ピッチで美人を産み出しているのか? 不思議といえば不思議です。私なりに理由を次のように解明してみました。
1)古来から多様な民族がダイナミックに混血した。そのおかげで、好結果が出た場合には素晴らしい”傑作”が誕生する。
2)総人口10億のうち、女性は5億人いて、超美人の人材にこと欠かない。
3)平均すると背は高くないが、伝統的に体格の良い地域や、血筋がある。モデル、ミスに軍人の娘が多いのが好例。
4)世界のコンテストで、肌の色が問われなくなってきている。
5)モデル・スクールの活動が活発になり、ミスを夢見る女性たちが、日夜、美肌、プロポーションを磨き、英会話の研鑚をしている。
このうち最大の理由はモデル・スクールの存在でしょう。ミス・コンテストの最終選考では、審査員からの英語でのインタビューがあり、大きなウエイトを占めています。そもそもインド人は独特のなまりがあっても英語は上手。何を聞かれても、もっともらしくしゃべるのが得意です。ミス・コンテスト本選前には、元クイーンを中心にプロジェクト・チームが結成され、予想問答集を使い、正統派英語で答えられるよう特訓をやっているようです。
たとえば「ミスになったら、何をしますか?」の質問には、「世界の恵まれない、かわいそうな子供たちに手を差し延べ、少しでも幸せになるように努力したいと思います」。飛び抜けた名回答で、ポイントをゲットするのです。
インドでもテレビの普及にしたがい、化粧品コマーシャルが多くなり、登場するモデルには高給が支払われます。そこで、モデル・スクールに多数の美人が殺到し、コンテスト予備軍が育成されます。そういえば、こちらの女性が物怖じしないのも強みでした。神々の住まう国らしく、マントラ(呪文)を唱えて精神修養し、コンテストではライバルを、オーラの差でしのぎます。
今年のミス・ユニバースに輝いたララ嬢がニューデリーでの記者会見で「私は教育の重要性を信じています。インドの子供たちに教育の場を与え、人口10億という負の資産をプラスの資産に変えたいと思います」と話していました。国連予想によると、2020年にインドは人口が16億4000万人に増え、中国の16億2000万人を超して世界一になるそうです。美人大国は、恐るべき可能性を秘めた21世紀の大国なのでもあります。
(By 石井 吉浩)
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